【専門家監修】妊娠中の腰痛なぜ起こる?知って得する原因と5つの対処法

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松村鍼灸治療院/松村 和輝 院長先生
◎経歴
東海医療学園専門学校(1997卒業)/松村鍼灸治療院。(1999.9開院 院長)/中野区鍼灸按マッサージ師会(2008.4 会長)/株式会社ナチュラルナイン(2009.9設立 代表取締役)/東京都はりきゅうあん摩マッサージ指圧師会(2017.4 副会長)
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腰痛に苦しむ妊婦

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妊娠中の女性を悩ませるものといえば……そう、腰痛です。ひとたび腰痛が発生すると、四六時中その痛みと戦わなければなりません。
腰痛がひどくなると、立っているのがやっと、寝返りを打つことすら困難な方もいる程です。

そんな多くの妊婦さんを悩ませる腰痛ですが、その原因とは一体どのようなものでしょうか?また、妊娠中に腰痛が起こってしまった場合、一体どんな対処法があるのでしょう?

今回は、そんな悩める妊婦さんのために妊娠中に起こる腰痛の原因と5つの対処法をご紹介します。
「腰痛が軽減されて、毎日の生活が楽になった!」
そんな女性が増えるよう、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

妊娠中に腰痛が起こる原因

妊娠中に腰痛が起こる原因とは?知っているようで知られていない原因を、4つのポイントでご紹介。まずは腰痛が起こる原因を知りましょう。

腰痛が起こる原因その1|ホルモンの分泌の変化

「リラキシン」というホルモンをご存知ですか?リラキシンは子宮や胎盤、卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつ。
妊娠中に分泌量が増加し、子宮周りの関節や靭帯などを緩める作用があるため、別名「子宮緩和因子(しきゅうかんわいんし)とも呼ばれています。ひとたびリラキシンの分泌が活発になると、子宮周りの関節・靭帯が緩む→骨盤が不安定になる→腰痛が発生するという現象が起こるのです。

腰痛が起こる原因その2|運動不足

妊娠中は普段より運動量がグンと落ち、筋肉量の低下・血行不良・自律神経の乱れなどを引き起こしてしまいます。
「妊娠中はお腹の赤ちゃんが心配だから……」といってあまりに運動をしないと、かえって腰痛の原因となってしまうのです。

腰痛が起こる原因その3|心理的な緊張や不安

「いざ出産!」となれば、ほとんどの女性が”不安”や”ストレス”を感じるのではないでしょうか。
不安やストレスは、知らず知らずの内に身体をこわばらせ、特に腰や背中・お腹周りの筋肉が緊張してしまいます。腰痛はこんな要因でも引き起こされるのです。

ストレスを感じる妊婦

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腰痛が起こる原因その4|姿勢の変化による腰痛

妊娠後期になるとお腹がかなり大きくなってきますよね。そうなると、自然とお腹を前へと突き出す姿勢になります。つまり、身体の重心が前方へと変化するということですね。ただ、そのままの状態では前へ転倒してしまう危険性があります。そうならないために、私たちは無意識のうちに背中の筋肉を使って身体を後ろへと引っ張り、バランスを取っているのです。
しかし、この状態は腰・背中に常に大きな負荷がかかった状態が続きます。そのため、結果的に腰痛を引き起こしてしまうのです。

妊娠中の腰痛にはこれ!知って得する5つの対処法

妊娠中に腰痛が起こる原因がわかった所で、ここからは5つの対処法についてご紹介したいと思います。ぜひ今回ご紹介する対処法を実践して、マタニティライフを充実させて下さい。

対処法1|適度に運動する

妊娠中は安静にしなければならないと思われがちですが、適度な運動を取り入れることで様々なメリットを得ることが出来ます。
適度な運動には全身の血行を促進させ、腰痛の軽減はもちろん、むくみの改善やつわりの軽減などの効果を期待できるでしょう。
また、身体を動かすことでストレス発散や自律神経を整える効果も得られるので、積極的にウォーキングやスイミングなどを取り入れるといいですね。

ウォーキングする妊婦

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対処法2|お風呂で身体を温める

妊娠中は、姿勢の変化や筋肉の緊張、ストレスなどが原因で、身体がこわばって腰痛が起きてしまいます。そんなときは、温かいお風呂にゆっくりと浸かることで凝り固まった筋肉や靭帯をほぐすことができ、痛み軽減の効果が得られるでしょう。
普段シャワーだけで済ませている方も、妊娠中はしっかり温かいお風呂につかって、身体を温めるように心掛けましょう。

対処法3|骨盤ベルトをつける

骨盤ベルトの着用もおすすめです。骨盤ベルトは不安定になった骨盤を元の正しい位置へ戻し、骨盤を安定させる事で痛みを軽減させてくれます。実際、多くの女性が骨盤ベルトで産前産後の腰痛が軽減したのを実感しているとか。骨盤ベルトは助産院や産婦人科でも使用されているので、一度医師や助産師に相談し、着用してみるのもいいですね。

対処法4|ストレッチをする

妊娠中のストレッチは腰痛改善には非常に効果的で、身体全体の不調を改善するにはもってこいの対処法のひとつです。
ストレッチでは腰痛のほかにも、

  • 肩こりの改善
  • 血行促進
  • 便秘の改善
  • 全身の筋肉がほぐれる
  • 心身ともにリラックスできる

などの効果を得る事ができます。お腹の成長具合を考慮して、ストレッチ効果の高いマタニティヨガなどを取り入れるのも良いでしょう。

エクササイズする妊婦

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対処法5|鍼灸を受けてみる

どんなに腰が痛くても、妊娠中は薬に頼る事だけはしたくないですよね。だったら鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょう?
「妊婦が鍼灸を受けても良いの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、医師や鍼灸師に相談の上、お腹に鍼を刺さなければOK。
鍼灸は全身にあるツボを専用の鍼やお灸で刺激することにより、痛みの軽減・筋肉の緩和・不安やストレスの軽減・疲労回復などの効果を期待でき、副作用の心配もありません。
そのため、腰痛に悩む女性には非常におすすめなのです!

鍼灸を探す

腰痛は日々の予防が肝心

腰痛の悩みを軽減させるためには、日々の予防が肝心!普段から対策をしておけば、腰痛もある程度防ぐ事が出来るでしょう。そこで、ここでは今すぐ行える簡単な予防法を3つご紹介します。ぜひ、今すぐにでも始めてみましょう!

予防その1|重たいものは持たない

妊娠中は出来るだけ重たい物を持たないようにしましょう。スーパーの買い物袋・衣類のたくさん入った洗濯かご・重たい食器など、できる限りパートナーにお願いし、出産を控えている方は無理のない生活を送る事が肝心です。
妊娠中に重たい物を持ってしまうと腰に負担がかかり、腰痛を起こす原因となってしまいます。何気ない普段の生活を見直す事で、腰痛は予防出来るという事ですね。

予防その2|身体を冷やさない

妊娠中はできる限り身体を冷やさないように!対処法でもお伝えしましたが、”冷え”は筋肉に緊張を与えたり、ストレスの原因になってしまいます。お風呂で温まる事はもちろん、靴下や腹巻きなどを着用して布団に入る・温かいに飲み物を飲んでから寝る・外出の際は温かい格好で出かけるなど、妊娠初期から身体を冷やさない工夫をしましょう。また、三陰交や至陰といった冷えに効くツボを刺激したり、お灸をすえるのも効果的です。ただし、セルフで行うのは危険なので、必ず医師か鍼灸師に施術してもらうこと!
ちなみに、下半身の冷えは逆子を引き起こすともいわれています。赤ちゃんは温かいのが好きなので、下半身が冷えているとくるんと上を向いてしまうわけですね。腰痛予防だけではなく逆子ケアのためにも、下半身を中心にしっかり身体を温めましょう。

予防その3|栄養価の高い食事を心掛ける

妊娠すると、つわりの影響などからまともに食事が取れない期間がしばらく続きます。もちろん、「無理をしてでも食べた方が良い」と言う気はありませんが、食事の際は出来るだけ栄養価の高い食事を心掛けるべきでしょう。
主食・主菜・副菜のバランスが整った食事は妊娠中のみならず、健康な身体づくりには欠かせません。加えて、栄養価の高い食事は、妊婦・胎児ともにお産を乗り切る原動力のようなもの。ぜひ、毎日の食事を栄養価の高いものにしましょう!

栄養のありそうな食事

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補足編|妊娠中のマッサージってあり?それともなし?

腰が痛くて痛くてたまらない……そんな時って誰かに思いっきりマッサージしてもらいたいですよね。
「けど、専門の知識がない人にしてもらって大丈夫かなぁ。」と不安になりませんか?
基本的に、妊娠中は知識がない人にマッサージをしてもらうことはNG!母体やお腹の赤ちゃんに危険が及ぶ可能性があるからです。

そんな時にご活用いただきたいのが『マッサージサロン』です。専門知識の豊富なスタッフが揃ったマッサージサロンでは、妊娠中の腰痛にも対応してくれます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

マタニティOKなサロンを探す

「そもそも妊娠中にマッサージなんて怖い!」という人もいるかもしれませんね。でも安心してください。妊娠中は体勢・時期・強さに気を付ければマッサージも大丈夫。うつ伏せや仰向けといったお腹に負担のかかる体勢はNGですが、横向きなら大丈夫。そして、安定期に入るまでは強さに十分注意しましょう。安定期以降、妊娠後期はお腹の赤ちゃんのコミュニケーションをとるつもりで撫でるようにするといいですね。

腰痛の原因と対処法を知って、素敵なマタニティライフを! !

妊娠中の腰痛って本当に辛いですよね。なんと、妊婦の約80%は腰痛で悩まされているのだとか……!
今回は「妊娠中に起こる腰痛の原因と5つの対処法」についてご紹介しましたが、妊娠中で腰痛にお悩みの方や今後経験される方のお役に立てれば幸いです。
この記事をきっかけに、素敵なマタニティライフを過ごして下さいね。