【専門家監修】妊娠中のむくみの原因は?簡単にできる解消法もご紹介

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松村和輝
鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師
松村鍼灸治療院。院長
株式会社ナチュラルナイン 代表取締役
中野区鍼灸按マッサージ師会 会長
東京都はりきゅうあん摩マッサージ指圧師会 副会長
http://shinkyumassage.com/

「妊娠中、足がパンパンにむくんでツライ」
そんな悩みを抱えているのはあなただけではないので、安心してくださいね。とはいえ、妊娠中にカラダがむくみやすいのは、いったいどうしてでしょうか?
ここでは妊娠中のむくみの原因と解消法についてお伝えしますので、むくみでお悩みの方はぜひ最後までお読みくださいね。

妊娠した女性

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妊娠中のむくみの原因は?むくみやすいのはいつ?

むくみは妊娠中に生じるさまざまなカラダの変化のひとつです。まずはその原因と、むくみが起こりやすい時期をみてみましょう。

むくみの主な原因は水分

一般的に、むくみはカラダの中に水分がたまってしまうことで引き起こされます。立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢でいることでむくんでしまった、なんていうのは、妊娠中以外でも経験があるはず。これは姿勢が固定されたことで、血液やリンパの流れが悪くなったためです。
また、水分や塩分の取り過ぎもむくみの原因になります。体内の塩分濃度が高くなるとこれを薄めようとするシステムが働くため、カラダが水分をためこんでしまうわけですね。

水分

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上記のような原因に加え、妊娠中の場合は妊娠しているがゆえの独特の理由によって引き起こされることが少なくないといえます。

妊娠中は血液の量がアップする

妊娠中の赤ちゃんの成長を支えるのは、母体から血液を通して送られる酸素や栄養分です。そのため、妊娠中は血液の量がアップします。
ただし、血液の中の血漿(けっしょう)と呼ばれる成分だけが増え、赤血球などほかの成分は増えません。血漿はほとんどが水分でできているため、妊娠中に流れる血液はサラサラとしており、そのサラサラの血液のおかげで赤ちゃんに必要な酸素や栄養分がスムーズに送られます。その代わり、血液中の水分が増え、妊娠中はむくみやすくなってしまうのです。

おなかが大きくなることで血管が圧迫される

当たり前ですが、妊娠すると赤ちゃんの成長に合わせて少しずつお腹が大きくなっていきますよね。お腹は約10ヶ月かけて徐々に大きくなっていきますが、これは言い換えるなら、お腹から下、とくに下半身の血管やリンパ菅を10ヶ月かけて少しずつ圧迫しているということ。それゆえに下半身がむくみやすくなってしまうわけですが、ある程度なら仕方のないことだとも言えるでしょう。

むくみやすいのは妊娠後期

もともとむくみやすい人は別として、妊娠初期の頃はむくみが気になる人はほとんどいません。妊娠中のむくみが気になるのは、多くの場合、妊娠28~40週(妊娠8ヶ月~10ヶ月)の妊娠後期に入ってからです。
とくに妊娠32~34週頃は血液量がピークになり、赤ちゃんの体重も大きく増えるときなので、むくみが目立ちやすくなります。

妊娠中期でむくみがみられる人も!

妊娠中期とは妊娠16~27週(妊娠5カ月~7カ月)までを指しますが、この時期にむくみがみられるようになる人もいます。体内の血液量は妊娠12週目くらいから徐々に増えていきますし、人によっては妊娠中期ですでにおなかが大きいということもあります。つまり、実際のところむくみが見られる時期は個人差があるということですね。

あまりにもむくみがひどい場合は注意!

妊娠中のむくみは多くの人が経験するものですから、とくに心配はいりません。
ただし、むくみの原因が妊娠高血圧症候群にあることもあります。妊娠高血圧症候群が重症化すると、母体はもちろんのこと赤ちゃんにも命の危険が及ぶことも……。「むくみがひどい」「急激に体重が増えた」「頭痛がする」という場合は、必ず検診の際に医師に相談するようにしましょう。

ひどいむくみ

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簡単にできるむくみ解消法

むくみの原因が妊娠高血圧症候群にある場合は医師による治療が必要ですが、それ以外の妊娠中のむくみは普段の生活に気を付けるだけで解消することができます。
簡単にできる妊娠中のむくみ解消法をご紹介しましょう。

むくみを食べ物、飲み物で解消

食べ物や飲み物がむくみの原因となることがあるように、妊娠中のむくみは食べ物や飲み物に気を付けるだけでも改善されます。ここでは妊娠中に避けたいもの、取りたいものをご紹介していきますね。

むくみの原因となる塩分は避ける

過剰な塩分はむくみを引き起こす大きな要因です。妊娠中はとくに意識して塩分を控えた食生活を送り、むくみ予防に取り組みましょう。

塩分の摂取量を控えるためには、料理に使う醤油(しょうゆ)やみその量にも気をつけましょう。ショウガやニンニクなどの薬味を使ったり、煮物や汁物はダシを利かせたりすると、塩分の量を減らすことができますよ。

カリウムが豊富な食品を食べる

カリウムには塩分に含まれるナトリウムを排出する作用があります。むくみ予防と改善のため、妊娠中はカリウムが豊富に含まれている食品を意識的に食べるのがおすすめです。

カリウムは、じゃがいもや里芋などの芋類、ホウレン草やカボチャ、ニンニク、ニラなどの野菜、キノコ類や海藻類に豊富に含まれています。また、バナナやキウイ、リンゴ、アボカド、グレープフルーツなどのフルーツにも豊富なので、おやつにこれらのフルーツを食べるようにするのも効果的です。

飲み物は利尿作用のあるものを選んで

飲み物は利尿作用のあるものを選びましょう。とはいえ、妊娠中にはカフェインの摂取を控えたいので、コーヒーや紅茶などカフェインが含まれた飲み物ではなく、ノンカフェインで利尿作用のある飲み物を選ぶのがおすすめです。

ノンカフェインでありながら利尿作用のあるお茶には、ルイボス茶、杜仲茶、コーン茶、黒豆茶、ゴボウ茶などがあります。

運動でむくみを解消

妊娠中は激しい運動をできませんが、カラダが重いからといっていつも座ってばかり、寝てばかりだと、血流が悪くなってむくみやすくなってしまいます。そのため、適度にカラダを動かすのがおすすめです。

簡単なストレッチを毎日の習慣にしたり、体調のいい日は外で軽くウォーキングしたりするといいでしょう。ただし、体調が悪いときは無理をしないように気を付けてくださいね。

エクササイズ後の妊婦

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マッサージも効果的

妊娠中のむくみを解消する方法としてはマッサージも効果的です。とくにむくみの気になる足のマッサージを習慣にすると、足がパンパンでもむくみが解消されますし、徐々にむくみにくくなります。

お風呂上りなどに足にマッサージオイルを塗って、足首からヒザ、ヒザから太ももの付け根にかけてマッサージをするのを習慣にしてみてはいかがでしょうか?マッサージのポイントは、カラダの先端部分から心臓に向けて流すようにマッサージすることです。
おなかが大きくなって自分でマッサージするのが難しいという場合は、パートナーに手伝ってもらうのもいいですね。自分がやってもらうだけではなく、お互いにマッサージすることでコミュニケーションを取りながらリラックスタイムを楽しめるでしょう。

妊婦をマッサージする夫

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着圧ソックスを着用するのも◎

むくみ対策として手軽に使用できるものに着圧ソックスがあります。着圧ソックスは足に程よく圧をかけて、履いているだけで足のむくみを解消してくれるという優れもの。また、履くことでむくみを予防する効果もあります。
着圧ソックスにはいろんなタイプがあり、ひざ丈までのハイソックスになっているものや太ももまでの長さがあるもの、レギンスタイプのもの、つま先部分がないもの、昼間着用するもの、寝ているときに着用するものなどがあります。自分にピッタリのものを探してみましょう。

ドラッグストアや通販サイトなどで売っていますが、病院でも医療用のものを紹介してもらえる場合もあるので相談してみるといいかもしれませんね。

妊娠中のむくみは産後に解消する?

妊娠中のむくみは産後すぐに解消するかというと、そうでもありません。産後も妊娠中と同様にむくみやすい時期です。産後のむくみの原因は、出産時に多くの水を排出することから水分のバランスが崩れることにあるといわれています。一度に多くの水分が失われることから、カラダが水分を溜めこもうとすることでむくみやすくなるのです。

また出産後は母乳を作るためにカラダが多くの水分を必要とするため、水分の排出が抑制されます。これもむくみやすくなる原因です。

出産後のむくみは一時的なもの

産後のむくみは一時的なものなので、心配はいりません。個人差はあるものの、だいたい1カ月くらいするとむくみは解消されます。もし1カ月以上たっても「なかなかむくみが解消しない」「むくみがひどい」という場合は、むくみの原因がほかにあるかもしれませんから医師に相談するようにしましょう。

妊娠中期~後期にかけてはむくみ対策を!

妊娠中期~後期にかけてはむくみやすくなります。こちらでご紹介した方法で、ぜひむくみやすい妊娠期間中を乗り切りましょう!

妊娠中のむくみを解消するためのストレッチの方法についての情報はこちらも参考にしてくださいね。